ロク(ROKU)のビジネスモデル、投資判断など

投稿日:2019年3月14日 カテゴリー:ハイテク成長株

昨晩の米国市場は、TV用のストリーミング端末を提供するROKU(ティッカー:ROKU)が大幅安でした。株価は70ドルから60ドルまで、14%も急落しました。複数のアナリストが、バリュエーションの過熱感や競争激化の見通しを理由に、投資判断を引き下げたことが原因です。今回はROKUについて考えてみたいと思います。

ROKUのビジネスモデル

出典:HPより

ROKUのビジネスモデルは2種類です。

1つは、(FireTVやChromecastと同じように)ハードウェアの販売です。”Player Revenue”と呼ばれています。このハードウェアをTVに挿し、ネットに接続するだけで、TVで簡単にNetflixやHuluなどのストリーミングサービスを見ることができます。(NetflixやHuluの利用料は別途必要です。)

もう1つは、広告売上です。”Platform Revenue”と呼ばれています。ROKUでは、他社のストリーミングサービスの他に『ROKU Channel』という無料のストリーミングサービスを見ることができ、そこから広告収益をあげています。また、TVメーカーとパートナー契約を締結することにより、デフォルトでROKUが搭載されたスマートTVも多く販売されています。

競合は、Google Chromecast、Apple TV、Amazon Fire TVとなります。

ROKUのPL、KPI

出典:決算資料より

主要なKPIとして、下記の3つが公開されています。数字は2018年4Qの数字です。
・アクティブユーザー:2,700万人(前年比40%)
・総視聴時間:73億時間(前年比69%)
・ARPU:$17.95(前年比30%)

アクティブユーザー数の伸びよりも、総視聴時間の伸びが大きいことは、ユーザーのエンゲージメントが深まっている証左です。

■PL(2018年4Q)
Player Revenue:$124M(前年比+21%)
Platform Revenue:$151M(前年比+77%)
売上高合計:$275M(前年比+46%)

Player Revenueの粗利率が2%であることには注目です。ハードウェアは原価で販売し、ユーザー数を増やし、Platform Revenueで稼ぐことを主眼としています。そのPlatform Revenueの粗利率は非常に高く、72%となっています。
結果として、売上総利益は$112M(粗利率53%)となっています。

結果としての営業利益は$5.5Mで黒字化しています。

出典:決算資料より

BSです。在庫を持つビジネスではありますが、シンプルなBSで、総資産$464Mのうち、流動資産が$432Mとなっています。うち現預金は$155Mです。
負債に関しても有利子負債はなく、純資産は$244Mとなっています。

ROKUの魅力

ROKUの魅力は、下記の3つに整理されると考えます。
・ケーブルテレビ→ストリーミングという明確な時流。市場の良さ。
・Google、Apple、Amazonを差し置いて、ストリーミング端末市場でシェア1位であり、Googleが検索広告を、FacebookがSNS広告を制したのと同じように、RokuがTV広告を制するポテンシャルがあること。
・ROKUは、どの動画ストリーミングサービスとも中立的な立場であること。

ROKUの株価、投資判断

出典:stockchart.com

上記のようなわかりやすい魅力から、年初から株価は2倍以上となっており、黒字化を発表した2月からはその上昇速度が加速していました。そんな中、過熱感のあるバリュエーションとApple、Google、Amazonとの競争激化が指摘され、急落したという状況です。現在の時価総額は約7,000億円となっており、年間売上高$742M、利益赤字、純資産$244Mの会社にしては、高いバリュエーションかもしれません。

しかし、2018年3Qと2018年4QのPlatform Revenueの伸び($100M→$150M)は非常に期待のもてる内容です。AmazonやAppleとの競争に勝ち続けることができる場合、大きく化ける企業であると考えます。


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米国株投資の勉強ブログ | 2019年3月14日