国内ではSwitchの売れ行きが好調なことから任天堂の株価が上昇していますが、米国のゲーム株も非常に好調です。米国主要ゲーム株の3社の決算において、利益率の高いオンラインチャネルでの販売(コンテンツのアップデートやゲーム内課金)が伸張し、株価は軒並み年初来より50%程度上昇しています。
米国主要ゲーム会社3社
Ticker | 銘柄 | 時価総額 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 年初来騰落率 |
ATVI | アクティビジョン・ブリザード | 4.9兆円 | 7,334億円 | 1,465億円 | 1,072億円 | 61.40% |
EA | エレクトロニック・アーツ | 3.9兆円 | 5,377億円 | 1,358億円 | 1,073億円 | 42.37% | TTWO | テイクツー・インタラクティブ | 0.9兆円 | 1,974億円 | 101億円 | 74億円 | 56.36% |
※1ドル111円で計算しています。
米国ゲーム株の売上高トップはアクティビジョン・ブリザードで、売上高は7,300億円、純利益は約1,000億円です。FPSのコールオブデューティーなどが有名です。また、スマートフォンゲームでとても有名なCandy Crush Saga運営のKingを2015年に買収した会社です。
2位はエレクトロニック・アーツです。もともと世界首位のゲーム会社でしたが、アクティビジョン・ブリザードの成長により、2位になりました。サッカーのFIFAシリーズや、FPSのバトルフィールドで有名です。
3位は少し規模が小さくなりますが、テイクツー・インタラクティブです。世界でもっとも売れているゲームソフトであるグランド・セフト・オートシリーズの運営会社になります。
これら3社の株価は年初来で急上昇しており、年初に何も考えずにゲーム株主要3社に投資しておけば1.5倍になっていました。
アクティビジョン・ブリザードの株価
出典:Stockcharts.com
アクティビジョン・ブリザードの株価は決算が好感されたことにより上昇していますが、業績の牽引役は、2016年に販売開始されたアクションシューティングゲームのOverwatchと、2015年11月に買収したKingのスマートフォンゲームです。両者の共通点として、パッケージ売上よりもオンラインチャネル経由での売上高が大きく、利益率が高い点にあります。
また、人気シューティングゲームであるDestinyの販売も控えていることから、市場からの期待が非常に高い会社です。
エレクトロニック・アーツの株価
出典:Stockcharts.com
エレクトロニック・アーツも決算が好調です。2014年のパッケージ売上高と2017年のパッケージ売上高は横ばいですが、オンラインチャネル経由の売上高が2倍近くになっており、粗利率も10%以上改善されています。なお、エレクトロニック・アーツの場合はモバイルやPC経由でのオンライン販売は横ばいであり、コンソールゲーム(PS4、Xbox)のオンライン売上高が上昇しています。
テイクツー・インタラクティブ
出典:Stockcharts.com
超人気タイトルであるRed Dead Redemption 2のタイトル発表の延期が発表されましたが、決算の内容は上記2社と同じくオンライン売上高が伸張しており、同じように株価は堅調に推移しています。お化けタイトルであるグランド・セフト・オートの最新作の発売日はまだ発表されていません。
パッケージ売り切り型のビジネスモデルから、オンライン販売が定着したことにより一つのタイトルが長く収益に貢献するモデルに変貌してきました。上記3社が提供するゲームタイトルは非常に完成度の高いものであり、全世界にコアなプレイヤー(=ファン)がいるタイトルであるので、今後も成長が予想されます。